石の3 阿蘇を見るべし


阿蘇201 九州に観光で来たならば、阿蘇を見るべきである。
阿蘇を見ずして死ぬな、と言いたい。
もし、東に死にそうな人があれば、両腕を抱えて引きずって
きてでも、阿蘇をとくと見せるべきであり、
西に気が弱くなっている人があれば、往復ビンタをしてでも
やはり、阿蘇に連れてくるべきである。

阿蘇岳は今でも活火山であり、30万年前から活火山であった。
気が遠くなる。気が遠くなって眠くなる。
がまんしなさい。
歴史以前より大噴火を繰り返し、その火砕流は九州全土を
覆い尽くし、あらゆる生き物を死滅させたという
だから、当時、九州に暮らしていた縄文人は何度も死んでいる。

阿蘇202 現在の煙を上げている阿蘇火口は中岳にあり、それだけでも
かなりでかい。東北の蔵王の「お釜」という、小さな火口湖しか
知らなかった優子が、中岳の火口を見てたまげていた。

ところが、中岳というのは、昔の大阿蘇が噴火して
中央が陥没して、その後に再び吹き上げたオデキの中の
そのまた、中にある火口にしか過ぎない。
現在の中岳の周囲には田園地帯が広がり、その外側に
外輪山があるのだが、その外輪山、東西18km、南北24km
の窪地が実は、昔の大火口跡なのである。
阿蘇カルデラと言い、地球上で最大規模のカルデラである。

阿蘇203 古代はそこに水が溜まり、標高1000mに位置する巨大湖
となったが、ある時、西辺が崩れて水が流れ落ち、
その後、乾いて、今は田園地帯になった。
現在、そのカルデラの中に農村が広がり、12市町村がある。

そのカルデラの全体を見渡せる観光スポットとしては、
「大観峰」というのが有名である。すごい!と思う。
阿蘇周辺は、牧場が多く、春には野焼きをするので、周辺の
見晴らしが実にいい。規模が雄大である。

阿蘇204 阿蘇に行くには、大分から熊本に至る、九州横断道路を
走らなければならないが、ここは昔、有料道路だった。
しかし、ぼくらが福岡にいた1994年に、減価償却が済んだ
ということで、無料になった。これが本来の道路行政である。
九重高原のど真ん中にあった料金徴収のブースが突然なくなり、
そこを通った時の気分の良さったらなかった。

九州人が、夏にキャンプに行こうというと、阿蘇周辺になる。
特に九重高原である。ぼくらもずいぶん行った。
 その折の、キャンプの合い間によく行った温泉が
湯布院やら、黒川温泉である。
湯布院は、1990年代には全国的にも有名になっていたが、
黒川温泉はまだ当時は、山間のひなびた温泉だった。
それが、今や、旅行雑誌のアンケートで常に人気ナンバー1の
全国から女性がやって来る人気温泉地である。ウソみたい。

阿蘇観光でお薦めは、カルデラ内を走る「高森鉄道」だ。
大観峰502 特に、窓のないトロッコ列車に乗ってみて欲しい。
火口湖が西に崩れた辺りの、立野はものすごい峡谷になっていて、
列車はそこをわざとゆっくり走ってくれる。
高所恐怖症にとっては、たまらないスリルである。
そして、終点の高森駅からレンタル自転車で、白水村まで、
行くと、死ぬほど美しい真水に出会える。

外輪山周辺には多くの、湧き水の名所があるが、中でも
白川水源」は素晴らしい。透明度はもちろんだが、
その湧水量がすごい。毎分60トンだという。目の前で
ボコボコ湧いていて、それが近くの側溝にジャンジャン
流れていく。ああ、もったいないと必ず思うはずだ。
(2001年)

おにぎり001  阿蘇周辺なんでも情報

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