石の2 楽天イーグルスの試合に行ってきた


イーグルス1 2005年、4月11日(月)、ソフトバンク・ホークス
仙台にやってきて、楽天イーグルスと初対戦した。
ぼくらも、さっそく行きました。プロ野球の観戦は、
福岡以来、10年ぶり。ナイターだった。
宮城球場改め、フルキャスト・スタジアムは、
仙台駅東口から、大通りをまっすぐに歩いて
徒歩20分くらいなので、立地は大変良い。
100円のシャトルバスで行けば、7、8分。

ボロボロで灰色だった宮城球場が改装され、
人工芝の緑と、赤い土と、座席の赤で、
色彩のコントラストも鮮やかになり、
地元のみなさんも、「うわあ!きれい!」と大感激。
ぼくらにとっては、昔の福岡の平和台球場を
彷彿とさせて、とても懐かしい感じがする。

ところが、寒いのなんの。これには参った。
黙って座っているのだから、ジンジン冷える。
真冬の格好で、マフラーを巻いて、手袋も要る。
ピッチャーの杉内は、ポケットにカイロを入れて
投げたという。売店では熱燗を売っていたので、
ぼくはそれを飲んで、ふう!と暖まったが、
杉内も飲みながら、投げたかったろうなあ。

イーグルス2 どうして今まで、東北をフランチャイズとする
プロ野球のチームがなかったのかといえば、
この寒さのせいもある。
日ハムが札幌を選んだのは、ドーム球場が出来た
せいだが、仙台は野外球場であるのがつらい。
ヤケクソで言えば、後は地球温暖化を待つしかない。

食べ物や飲み物の持ち込みは禁止されていて、
球場内で売られているものを買うしかないので、
弁当類を見にいくと、これは以外に充実している。
ただ、この寒さでは、弁当類も固く冷えている。
せめて、熱いお茶をポットで持参くらは許して欲しい。

あるいは、暖かいおでんメニューをもっと増やすとか、
次に改装がなる時には、グループで鍋物をつつきながら
応援できる席なども作ってもらいたい。
 東北は秋も早い。9月になったら、もう秋である。
芋煮会のシーズンになる。どうせなら、そういう東北の
事情に合わせて、芋煮会をしながら、応援できる席
を作ってもらいたいと、切に要望する。
三木谷オーナーは、ぜひとも宮城や山形の
芋煮会に参加してみるべきである!
すばらしいボールパークの構想が湧くであろう。

すばらしいといえば、仙台フルキャスト・スタジアムの場合、
他の球場と違うのは、応援合戦に、トランペットなどの
イーグルス3 管楽器を禁止していることである。これは評価すべきである。
アメリカのメジャーのベースボールと同じである。

ベースボールの本来の姿は、ピッチャーが投げるボールが、
キャッチャーのミットに納まるバシッという音が聞こえる
ということである。
つまり、草野球を身近で観戦する時のおもしろさだ。
ベースボールは、その草野球を拡大させたものである。
選手がスーパー級になったから、観客が2万人にもなって
多少、眺めが遠くなっても、それでも凄い迫力を感じる。
選手の投球や、ヒットごとに球場全体が、どよめいては、
ため息をもらしたり、歓声を上げたりする。
草野球の良さを、そのまま拡大しているのである。
味方が勝ちゃうれしいだろうが、負けていても、
ゲームプレイ自体の身近な音に酔うのである。

それが日本のプロ野球というのは、長年、
目の前のゲームをバーチャル化して、
トランペットを吹き鳴らしては、かっとばせー!と
怒鳴りまくる、ほとんど応援の自己陶酔になっている。
この悪習がどこから来ているかというと、
早慶戦などの、大学野球から来ている。日本の野球は、
プロ野球の前に、まず大学野球から始まっているからである。
イーグルス4 バンカラ姿の応援団が客席の前に陣取り、
母校の応援のために、観客生徒が一丸となるために、
太鼓を叩き、大声を張り上げたのである。
この場合、母校の勝利が優先して、野球そのものを楽しむ
というのは、どっかに吹っ飛んでいったのです。
それを受け継いだのが、今の日本のプロ野球です。
みなさん、もう、そういうい野蛮な応援はやめましょう!
野球自体を楽しみましょう。

その日、ぼくらはソフトバンクス側の内野自由席に
座ったのだが、周りはみんな楽天応援の人々だった。
ぼくらの心は複雑だったが、ソフトバンクスがヒットを打つと、
つい「よし!」、ソフトバンクスがホームランを打つと、
イーグルス5 「やったあ!」と声を上げてしまう。
やっぱ、長年のホークス・ファンだからしょうがないか。
周りはシーンとしているので、肩身が狭い。
熱燗を買いに行った時、ソフトバンクのユニフォーム・
レプリカを羽織っている美女が歩いていて、
「勇気あるなあ」と思ったもんだ。

7回裏の楽天イーグルス攻撃の前には、風船飛ばし
行われたのだが、仙台の人達は、そのタイミングがまだ
よくわかってないらしく、7回表の、ホークス攻撃の前に
飛ばす人もいて、
まだだ!まだだ!と制されていた。

試合は圧倒的にソフトバンク・ホークスが勝った。
その後も、楽天イーグルスの負けは10連敗などと
続き、予想通り、ダントツの最下位である。
三木谷オーナーがじれて、さっそく口をはさんだが、
あせるな!と言いたい。
勝つだけが野球ではない。負けたって、それを
楽しめばいいのだ。そういうシステムにするのが
ほんとのボールパークだぞと言いたい。


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