2の石 フカヒレといえば気仙沼


 宮城県には、塩釜、石巻、気仙沼という
さめ  全国的にも有名な漁港があり、
 近海マグロや、サンマなどの水揚げで、
 にぎわっている。
  その中で、気仙沼には、ここが日本一
  という産品 がある。フカヒレだ。
  フカ、すなわちサメであり、
  鮫の水揚げ日本一なのだ。
   フカヒレといえば普通は中華料理だが、
  こちらには、フカヒレ寿司というのがある。
  ほお。よし、食ってみようじゃないかということで、
 遠かったが車を飛ばした。そして、雑誌に載っていた、
 フカヒレ寿司を考案したという店に行ってみた。

 小さな寿司屋である。握りの「上」に加えて、
フカヒレ  一個四百円のそれを注文する。
 しゃりの上に姿煮が乗り、海苔の帯で巻かれて登場した。
 神妙に口に入れてみる。
 口の中でサッと溶ける。味わうヒマもなかった。
 そういうものらしい。特別にどうというものではない。
 騒ぎ立てるほどのものではなかった。
 騒ぎ立てて、片道4時間を使って気仙沼まで
  来てしまったが、
 また片道4時間を使って帰らなねばならなかった。
 夕焼けがきれいだった。

 帰る途中に「志津川町」という海辺の町があった。
モアイ   海沿いの公園になぜか、モアイ像がある。
 実は昔、南米のチリで大地震が起こった時に、
 その影響で太平洋を越えて津波が襲ってきて、
 大きな被害が出た町なのだ。
  その事件を忘れないようにと、被災地・チリとの
 交流記念として、モアイ像を建てたらしい。

 イースター島のモアイ像は、どういう種族が、
 どういう理由でどういう方法で作ったかは、
 謎とされていて、南米に近いせいで昔は、
 南米古代文明の影響だろうと言われていた。
  ところが、その後、実はポリネシア文化であり、
 東南アジアに起源があるとわかった。
 その理由のひとつは、モアイ像を後ろからよくよく見ると、
ふんどし  フンドシを締めているのである。
  これは、日本をも含むアジア特有の風俗なのである。
 我が家のトイレにも、高さ10センチほどのモアイ像が
 飾ってある。福岡のスーパーの熱帯魚売り場で買ったものだ。
 後ろを見てみると、確かにフンドシをしている。
 それ以来愛情がひとしおになった。
 トイレのたびに見つめあい、語り合っている。

2の石 最初に戻る