2の石 仙台について


ケヤキ並木   仙台人が、よそから来た人の、手を引っ張って、
 まず連れて行くのが、けやき並木である。
  なるほどと思う。  たいしたもんだと思う。
  手を引っ張られて、連れてこられるだけの価値はある。
   特に、一番町の端にある「定禅寺通り」のケヤキ並木が
  見事である。中心街にあれだけの、背の高いケヤキ並木があり、
  それが通りを覆っているという風景には驚く。
  日本語の看板さえなけりゃ、ほとんどヨーロッパである。

  定禅寺通りの切れる辺りに、広瀬川がある。
  さとう宗幸が「青葉城恋歌」で、ひろせがわ~と唄ったあの川である。
  両側をけっこう高い崖に囲まれて流れている。
  夏には鮎が釣れるというのが、すごい。
  その崖の対岸の上に、伊達政宗が居城とした
  「青葉城」があり、馬上の「独眼竜・政宗」の像がある。
伊達政宗   NHK大河ドラマで、渡辺謙が演じて、カッコ良かった。
  が、子供の頃には、柳生十兵衛とごっちゃまぜに
  なっていた。区別がついたのは、優子と結婚してからで
  ある。

  それにしても、優子と結婚しなければ、
  東北とは、全く縁のない人生だったろうと考えると、
  像が「よく来たな」と、言っているように思えた。

  どこの都市にも、街の全景が見渡せるという場所があり、
  例えば、福岡なら福岡タワー、長崎なら稲佐山がそれに当たるが、
  ここ仙台では、それは仙台駅の近くにある
  「SS30(エスエスサーティー)」というビルである。
  最上階に無料の展望台があり、レストラン街もあり、
平野1   窓に向かったカウンター席に座ると、
  ビールを飲みながら話が弾む。

  そのカウンター席に座り、ビールを飲みながら、
  仙台市街を見渡すと、大変に広い平野である。
  海も山も、遥か彼方にある。
  そして、なんというか、地形がとても簡単である。
  テレビの天気予報を見れば、わかると思うが、
  宮城県の区分は、「平野」と「山沿い」の二つしか
  ない。
  東は海に向かう平野、西は山と、実にいさぎよい。
  それが南北に延々と続いていて、それで宮城県が
  できています、という感じがする。
    だから、市内が一望できるどころか
  県内が一望できると言ってもまんざらウソではない。

   長崎のように、海かと思えばあら山だ、
島1   山かと思えばまた海だ、次は山かなあら海だ
  なんてふうに忙しくない。
  だいたい、長崎や福岡というのは、地形が
  デコボコである。海を目の前にして、
  低い山に囲まれ、半島や島に囲まれ、
  登ったり下ったり、大変、入り組んでいるので、
  平野が少ない。
  だから、忙しく、海岸の埋め立てを繰り返して、
  平地を造成しているのだ。
   それに比べれば、仙台は海までの間に、
  広大な平地がデンと広がっている。
  えらい違いである。
   長崎や福岡の風景は、仙台の人にわかりやすく言えば、
  むしろ、松島に近い。

(その後、宮城県の天気予報の区分は、2003年に、平野と山沿いから、
  東部と西部に変更された。どちらかというと、前の方がわかりやすい)

                    
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