2の石 あこがれの芋煮会


 東北は、9月になるともう秋である。となると、
芋煮会  宮城、山形では、「芋煮会」のシーズンである。
 休日になると、みんなで誘い合って、
 「さあ、芋煮会に出かけよう」と盛り上がる。
 河原に出かけていって、焚き火をやり、
 それに鍋をかけて、里芋やら肉をグツグツ煮て、
 みんなで食べ、酒を飲んで、野外で一日を楽しむ。
  おお、アウトドアの原点ではないか。

 その話をかねてより、優子から聞かされていた
 ので、九州でもやろうとしたのだが、
 どういうわけか、福岡県内にもその近辺にも、
 焚き火をできる広い河原がないのだ。
 山と海が近いために、少し上流になると、すぐに
 狭い渓谷になってしまう。
 だいたい、屋外で焚き火をできる場所が少ないのだ。
 しょうがないので、キャンプ場でやった。
 優子が山形風・醤油味の「芋煮鍋」を作ったのだが、
  これは、九州のアウトドア仲間にも好評だった。
 「我が家のメニューに加える」と言った人もいた。

 で、東北に来てビックリした。
 焚き火のできる河原がめったやたらとある。
芋煮の川  なんだ、これは!
 九州のアウトドア仲間に見せたら、
 感激して踊り出すんではないかと思った。
  とにかく、こちらには自然が多い。というか、
 平野が広い。だから、川が流れていても河原が広い。
  平地がないために一生懸命、海を埋め立てて
 いる福岡とはえらい違いである。

 その芋煮会、こちらでは、職場やら、ご近所やら、
 サークルやらで、何回も出かけてゆくそうだ。
芋煮豚44  あちこちの河原がその度に、煙を立ててにぎわって、
 いる。その需要に応えるために、この季節、
 市内のコンビニでは、どこの店先でも、
 薪を売っている。それを見て、よそから来た人が、
 「薪を何に使うの?」と、首をかしげるそうだ。

いもに55

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