石の2 博多ラーメン「一風堂」はうまかった

博多ラーメンの「一風堂」が2004年10月に、仙台に
一風堂1 出店した。なんか、テレビのラーメンの選手権などで
優勝したとかで、全国的にも名前を売っているらしい。
しかし、ぼくらが福岡に住んでいた頃、本店のある
大名で一度食べてみたが、長浜の屋台などと比べて
それほどうまいとは思わなかったし、値段も650円と高いので、
仙台に出店したと聞き、連日行列だと聞いても、
バカにしてずーっと行かなかった。しかし、先日初めて
行って、あっさりとんこつ味の白丸を食べてみて
「うわ、懐かしい味だ、博多ラーメンだ、うまい!」
と二人でしきりに感心した。どうなってんだ。

仙台にも数店、博多ラーメンや、とんこつラーメンの店は
あるが、一風堂に比べたら、味は遥かに落ちる。
ただし、一風堂には、あっさりの白丸ともう一つ、赤丸と
いうのがあって、赤丸というのは、こってり味らしい。
こってり味はコリゴリなので注文する気はない。

実は、同じ頃、仙台中心部のクリスロード商店街に
「おっぺしゃん」という熊本ラーメンが開店したので、
歯科に通う帰りに一度食べてみたら、ここがうまい!
気に入って、一か月に一度寄って食べていたのだが、
あっさりした本来のとんこつスープが、ある時期から、
妙に脂のドロドロした、こってり味に変身して、がっかり。
背脂とかが入っているのが、昨今のラーメンの流行り
だとは知っていたが、どうもそちらに傾斜したらしい。
それ以来、そこへは行かなくなった。だから、一風堂の
こってり赤丸というのも注文する気にはなれない。

そういえば、仙台の定禅寺通りの裏に「こむらさき」という
ラーメン店があって、え!「こむらさき」なら熊本ラーメンだろ
と思って行ってみると、確かに熊本ラーメンもあるのだが、
メインメニューは関西で有名な「天下一品ラーメン」だった。
そのラーメンの特徴は、脂でドロドロのこってりラーメン。
基本は醤油ラーメンなのだが、背脂がどんよりしている。
好き嫌いが大きく別れると評されているが、ぼくは一口
食べて吐き出しそうになった。ところが、こういうのが
一風堂4 大好きだという人もかなり多いらしい。わからんもんだ。
ぼくはあくまで本来のあっさりした、とんこつ味が好き。
だから一風堂の白丸がとてもうれしかった。

そして、一風堂で、もうひとつ気に入ったのが、
博多一口餃子をメニューに出していることだ。
特徴は小さくて、皮が薄くて、焼き上げると、その皮が
パリパリしてとてもうまいのだ。福岡にいた頃は、
一風堂の本店もある、大名(だいみょう)町の
「テムジン」というのが有名店で、いつ行っても満員で、
店主が目の前で包む一口餃子を、2皿3皿と注文して
ビールでわっしわっしと食べる客であふれていた。
それとほとんど同じ一口餃子が仙台の一風堂でも
食べられるのである。これはうれしかった。
妻と一緒に内心バンザイしながら、おかわりした。
こんな餃子は仙台で、ここだけである。
昔はバカにしていた一風堂であるが、今は違う。
一風堂よ、あっさり本物のとんこつラーメンと
博多一口餃子を仙台に持ってきてくれて、
ほんとにありがとう。
(2008年11月)
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