2の石 森や林の風景がえらい違う


林28   仙台にきて、ぼくが最初に見つけた仕事が、
  NHKの委託営業だったので、いきなり、あちこちの
  住宅街を、原チャリで走り回ることになった.
   その中で思ったのが、樹木が違うなあということ。
  あちこちにある林がみんな、きれいな裸なのだ。
  要するに、落葉樹の林。
  冬には、葉っぱがきれいに落ちる。だから、木々は
  みんな、スレンダーな裸で、林が明るい。

    これが九州ではどうかというと、常緑樹が多い。
  シイ、カシ、クスノキ、モチの木、柑橘類など。
  一年中、緑。そこで、思い出したことがある。

  東京から福岡に引っ越した年の冬、妻の優子が、
  福岡の里山や、街路樹を眺めながら
みどりぶた225   「冬になっても緑なんて、いやねえ
  と嘆くのである。ぼくには、さっぱりわからない。
   「なんで緑がいやなの?」と聞くと、
  「暗いじゃない」というのだ。
  そう言われても、ぼくには、今ひとつ、実感がなかった。.
  それが、こちらの町を歩き回って、やっと、なるほどと思う。
  裸の林というのは、実に明るくてきれいなのだ。

   そして、里山に行けば、九州との風景の違いが
杉    もっと顕著になる。自然林が多いのだ。
   JRに乗って、少し郊外に行くと、里山の
   美しい自然林だらけの風景になる。
    比較すると、九州には杉の人工林が多すぎる。
   それがまた、山全体を埋めるほどの植林である。
   杉は、一年中緑なので、林の中は暗く、
   ジメジメして、下草も生えない。
   九州での山歩きは、その杉林の中を延々と歩く
   ことが多く、風景が単調であった。

  ただ、その九州の山歩きでも、いいこともあった。
  山の麓には、柑橘類の果樹園がたいてい、ある。
  山歩きの最初には、その果樹園の横を通る。
甘夏   その時には、いつも、地面に落ちたばかりの、
  甘夏の実を、2,3個失敬して,リュックに入れて
  登ったのだ。途中の、喉が渇いた時の、その実が
  すっぱくて、うまかったこと。

夏みかん豚




なつみかんの芽

なつみかん45





なつみかん66  

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