石の2 リベラル派という人々

リベラル1 リベラル派という人々を、ぼくは信用できない。
リベラルというと、右翼でも左翼でもなく、常に中道であり
平和主義者であり、美しい理想を追い求める人々というイメージ
がある。しかし、日本におけるリベラル派というのは、池上彰さん
がテレビで解説していたように、中道派ではなく、
「左翼と言われたくない左翼」なのである。

そのリベラルを標榜する民主党が2010年の選挙ではついに
勝利して民主党政権が実現した。その時、首相になったのが、
鳩山由紀夫、菅直人という、今になって思えば悪夢のような人々
だった。鳩山由紀夫という人は、沖縄における米軍基地への反対
運動を復活させた人であり、常に中国と韓国寄りであり、反日の
人だった。要するに、日本国を悪と思っているのであり、中国や
韓国が日本を悪く言うと、そうだそうだと常に同意するという変な人
だったのである。この人は今でも、中国や韓国の反日集会に出向
いては、日本の悪口を言っている一種の奇人である。どうせなら、
あっちに行ったまま帰って来ないで欲しい。日本には要らないから。

日本におけるリベラル派は、反自民であり、反権力であり、反日で
ある。しかしそれではあまりに闘争的に見えるので、もっぱら
理想目標の第一は「平和」であり、「戦争反対」と言っている。
しかしそういうことは全人類が願っていても、かなわないものである。
元々、共産主義という理想は、誰もが平等になれば戦争などなくなる
ということから始まったのである。ところが共産主義を実現するための
戦争が起こり、多くの人々が死んだのである。キリスト教やイスラム教が、
リベラル2 お題目は人間の幸福を求めるというのに、それぞれの対立によって
絶え間ない戦争を引き起こしているのと同じように、人間はつまらない
対立によって、いくらでも喧嘩や戦争をする存在なのである。

だから、現実の人間がするべきは目の前の問題に対して、地道に
戦争の火種を消すことがせいぜいである。ところがリベラル派の人々は、
それらを飛び越えて「戦争反対」だけを叫ぶ。しかし、それは
ただの理念である。だから彼らはとんでもない飛躍をする。つまり、
軍隊がいるから戦争が起きるというのだ。だから日本の自衛隊を嫌い、
「殺し屋集団」とまで言う。同じ理由で沖縄にいる米軍にも出ていけと
いう。その一方で、彼らは、中国がチベットやウイグルで行っている
虐殺やアジアの海域で行っている軍事侵略には、何の反対もしない
のである。つまり彼らは、日本が過去に行った中国と朝鮮への侵略
を罪深く思うあまり、現在の中国がアジアで行っている軍事侵略に
ついては、何ら問題にしないのである。リベラル派の代表の朝日新聞
はまるで、中国の侵略行為を暖かい目で見守っているようなのである。
これが日本のリベラル派に特徴的な自虐体質である。

そして、リベラル派というのは理想的平和主義者であり、全ての人権を
守る人々であり、常に正義の味方である。反原発であり、死刑制度にも
反対、日本の捕鯨にも反対、障害者や弱者の味方であり、あらゆる
権力に反対、つまり自民党のやることには全て反対なのである。
きっと彼らは、誰からも好かれたいという人々なのだろう。
話し合えば戦争は起こらないと信じている人々なのだろう。
喫煙反対、献血賛成、ドナー登録しましょう、女性の権利を伸ばし
ましょう、差別用語は失くしましょう、教育現場での体罰反対、
外国人の受け入れ賛成、動物愛護運動をし、ベジタリアンであり、
そして、自分が生きる意味は他人に尽くすボランティア活動などにある
と思っているのだろう。
だから人々にも、こういう運動をしましょうと薦めているのだろう。
そして、さも自分達は人のために尽くしていて、美しい人生を過ご
していると思っているのだろう。リベラル派というのは、そういう
人々の集合体であり、時々、街頭で「戦争反対」などという署名
活動をしているシニア活動家というのは、多分昔の共産党の
若者の組織であった民青の生き残りなのだろう。
(2019年8月)

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