2の石 下手だけど、スキーは楽しい


 東北に来てから、冬はスキーが楽しみになった。
スキー22   といっても初級者コースであり、その初級者コースですら
  まだ怖い。しかし、せっかく北国に来たのだから、
  これを楽しまなくては損だという執念で、楽しんでいる。
  よちよちのボーゲンである。

  最初は、スキーセットを毎回3千円でレンタルしていたが、
  2年目には、市のリサイクル・センターで無料でゲットした。
  あとは、マイカーでスキー場に行けば、
  リフト代と飲食代で済む。
   九州で、スキーをしたいと思えば、近くて島根県の大山か、
  韓国になる。交通費、宿泊費、レンタル料など、一回分の
  費用だけで、すごいことになるが、こちらでは、
  日曜日のたびに出かけても、気軽なレジャーである。
  市内に雪はなくても、山に行けば雪はあるし、なにしろ
  片道1時間でスキー場なのだ。

  それにしても、スキー場は美しい。
  九州人だから、なおさらかもしれないが、ひたすら感動する。
  真っ白い上に、空気が冷たく清浄である。
  スキー場では、スキーヤーは、リフトで上へ上へと、
  揺られながら登るのだが、このリフトもすごいと思う。
   なにしろ、雪原の樹間の中をユラリユラリ揺られて登るのである。
  その間の景色の美しいこと。
  約1キロくらいを、一回350円で連れていってくれる。
  景色は変化に富み、下は白、上は快晴の青い空。最高である。
  レジャーパークの乗り物と考えれば、こんな素敵な乗り物はない。
スキー29   「カリブの海賊」よりも、「スモールワールド」よりも、ずっといい。
  何回乗っても、飽きないのだから。

  しかも、リフトを乗り継いで、着いた先は、千メートルの山上。
  普通なら、汗をかいて登山する距離があっという間である。
  ああ、ぜいたくl。
  そういう標高に行くと、見晴らしも素晴らしいわけで、
  本当なら、めったに拝めない雪山の景色が眼下である。
   みなさんは「さあ」とか言って、次々に滑り降りてゆくが、
  ぼくとしては、ちょっと待て!と引き止めたい。
  できるならば、車座になって、雪見酒をしたい気分である。
   以前、蔵王の樹氷を見学に行った時には、寒さに震えた
  が、快晴の日のスキー場は、スキーウエアを着込んでさえ
  いれば、その下は、トレーナーだけでも、充分暖かい。
   ぼくらは、山の上というだけで、喜んでグズグズ
   降りるのだが、
  スキーのうまい人はサッサと降りる。もったいない。

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