石の2 やしき・たかじんの「そこまで言って委員会」


たかじん1 関西文化圏で、歌手兼司会者としてカリスマ的な人気を誇って
いた「やしき・たかじん」が67歳でガンで死去した。
ぼくら夫婦は、日曜日の「たかじんのそこまで言って委員会」という
テレビ番組が大好きで、出かける時には必ず録画している。
何がおもしろいかというと、いろんな評論家や政治家などを集めて
テーマを決めてしゃべらせるのだが、とにかく本音のトークなのだ。

なにしろ、たかじんというのは、ラジオの番組を担当していた時
放送禁止用語でも何でも無視してしゃべり散らかし、そのはちゃ
めちゃぶりが大人気になり、有名になった人である。でもそれが、
大阪でものすごい人気を得て有名になり、たまに街角のサテライト
スタジオで公開放送をやると、ものすごい人だかりが出来て、その
熱狂を当時の写真週刊誌「フライデー」が珍しがって掲載したぐらい
である。それゆえに、テレビにも進出して番組を持つようになった。
たかじん2 そのたかじんが司会をするのだから、出演者の評論家の面々も
遠慮なしに言いたいことを言う。だから、日本中で大人気の政治文化
バラエティ番組になったのである。

東京の番組ではこうはいかない。
大阪でたかじんの番組に出ていた評論家が、東京のワイドショーに
出演すると、全く精彩のないコメンテーターになるのである。また、
東京で似たような番組といえば「たけしのTVタックル」があるが、
あれは政治家が党を代表してタテマエを叫び合っているだけの、
本音とは無縁の番組である。
そして、東京のワイドショーとして典型的なのが、日曜日の朝の8時
からやっている、TBS系の関口宏のワイドショーである。その時間に
ニュースショーを他の局ではやっていないので、ぼくも日曜日には、
これを観ていたのだが、リベラルというか中立的、理性的である。
中国や韓国がいくら常識外れな日本批判をやっても「ばかじゃないの!」
なんて絶対言わない。それどころか、あちらの気持ちを推し量ってみま
たか人3 しょうなどと関口は言うのである。すると、コメンテーターのみなさんも
順々に関口の意に沿うコメントをする。ぼくも昔は、それらの意見が
中立的なように思えていたが、たかじんを観るようになってからは、
どうも関口宏とそのコメンテーター達がひどく親中反日的な意見に
見えてきたのである。なにしろ、中国と韓国が前政権のように、
国内向けに反日をやってる分にはよかったが、最近のように世界に
向かって露骨に、しかもウソ八百で固めた反日キャンペーンをやり
始めると、嫌中嫌韓になるのは当たり前だろう。

東京風タテマエ・トークというのは、政治的配慮をして発言するという
ことなのだろうが、関口宏とそのコメンターズは、中韓への配慮を越えて、
積極的にあちらに同調し、安倍政権が日本を軍国主義国家へと
導いてゆく悪い政権だとさかんに言っている。中立を装いながら、
たかじん5 どうみてもあれは、反日であり、親中親韓なのである。
何しろ安倍首相の政策を批判する時にヒットラーの映像を流す
ことまでしている。

それに対して、たかじんの番組は、中立にしようという括りがない。
中国や韓国や朝日新聞に対しても、一切遠慮がない。司会者が
どこにも遠慮なく言うもんだから、コメンテーターもそれに従い、
本当に思っている通りのことをしゃべるのである。
中国や韓国に対しても、めちゃくちゃに批判するし、バカにするし、
つき合わなくても良いと言う意見の人もいる。
だが、それはあくまで、中韓が常識外れな日本批判をすることに
対してであって、根底で彼らを嫌っているわけではない。
それが基本にありながら、東京の番組のように、中韓に対して
刺激しないようにしようという卑屈な姿勢ではなくて、言いたいことは
素直に言おうという気分がものすごく楽しいのである。

しかし、この番組はたかじんの東京嫌いのせいで、東京では一切、
放送されなかった。させなかったのである。これは本当に惜しいと
たかじん5 思う。東京以外なら、九州でも仙台でも放送されているし、関東近県
でも放送されているのだが、とにかく首都の東京でだけは放送されて
いなかった。たまたま、東京の人が観る機会があると、笑い転げる
一方で「右翼的なコメントが多いなあ」と言うのだが、それは東京の
ニュースショーがどこも左翼的というか、自虐史観的な立場を取って
いることが多いからである。
この番組で唯一浮いた存在だったのが、田嶋陽子であり、一時は
社民党から出馬、当選して国会議員になったのであるが、その主張は、
非武装中立という滑稽な理想論であり、平和を唱えていれば
中国は攻めて来ないというものだったので、皆さんからさんざん
バカにされていた。ところが、東京の番組でそれを唱えると、うんうんと
頷いてくれる評論家、政治家が多いので、それなりに自信を持っており、
たかじん7 それがこの番組では通じないので、時々、頭にきて途中で帰ってしまう
こともあった。それがまたおもしろかった。

ぼく自身は大阪文化というのは、どうも苦手であり、見知らぬ人から
突然、人差し指でピストルの真似をされてバ―ンと撃たれても、
大阪人のように「うわ!」とか言ってのけぞるようなことは絶対できないと
思うが、そういう文化で育った、たかじんのような人が司会する番組で
ないと、こういう本音トークの番組って出来ないのだろうなと思うと、
やはり大阪文化ってのは、日本に必要なのだろうなと思うのだ。
(2014年2月)
…この番組は、たかじん亡き後、現在でも辛抱さんを司会に人気である。(2019年)

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