2の石 仙台七夕と、長崎精霊流し


七夕8  仙台の夏祭りといえば、七夕である。
 様々な色彩と装飾の吹流しが、駅から一番町
 までのアーケードに、ずらーっと吊り下げられる。
 青空に映えるとたいへんきれいである。
 東北三大祭りのひとつなので、たいへんな
 人出になる。
 ただ、基本的に、静かな祭りである。
 昼間に、人々が吹流しを歩いて見て回る
 だけである。別に、その下で踊るわけでも、
 酒を飲んで騒ぐわけでもない。
 歓声も拍手もない。
 考えてみれば、珍しい夏祭りではなかろうか。

 その静かな仙台七夕と、対極にある夏祭りが
 長崎の「精霊流し」かもしれない。
  さだ・まさしの歌で有名なそれは、歌とは違って、
 実に騒々しい祭りである。
  お盆に、前年に亡くなった故人を送るいわゆる
 「葬送」であり、全国的には「灯籠流し」に当たるのだが、
 長崎の場合、中国の影響を受けているので、
 精霊船は盛大に提灯を並べて、それに車輪をつけて、
男衆が引き回す。
 金持ちは精霊船も大きくなり、船の前にある、
 龍の張り子が火を噴いたりする。
精霊流し   そして、何よりの特徴は、爆竹を
 大量に使うのである。
 その量は半端ではない。
  爆竹をみんなが撒き散らし、
 音だけを聞いていたら、
 ほとんど市街戦である。
  精霊流しを見学した夜は、
 寝床に入っても耳がキーンとしたまま。
 翌朝に目覚めても、まだキーンとしている。
 だもんで、よそから来て、実際に長崎の精霊流しを
 見物した人は、さだ・まさしを、
 嘘つきよばわりする人が大変多い。

長崎ガイド  

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