石の2 たまに東京に行って思うこと……2004年春


2年に一回くらい、夫婦でふらっと東京に遊びに行く。
富士10 二人とも、13年間過ごした街だから、懐かしい。
渋谷、新宿、銀座、すべてが懐かしい。
だいたい、ぼくらの本籍地が、東京都小金井市である。
結婚届を出しに行った時、役所から、
「本籍地は、どこにしますか?」と言われて、
そのまま、新居のアパートの場所にしたのだ。
説明によると、どこでも良いということだった。
千代田区一丁目一番地でも、いいらしい。

今回は、JRの「東京一泊パック」を利用した。
仙台から、新幹線指定席の往復券と、
ホテル一泊が込みで、大人一人2万1千円。

宿泊は、赤坂プリンスホテル。
普通ならば、一泊2万クラスのホテルである。
考えてみれば、東京にいた頃には、
東京のホテルに泊まったことがないわけで、
今回、いきなり、超有名ホテルになってしまった。
赤坂見附を見下ろす29階。
向こうに六本木ヒルズタワーを眺め、朝には、
遠く、白い富士山が見えた。幸せである。

今回の最大の目的は「江戸東京博物館」。
一度、行ってみたかったのだ。両国にある。
原寸大の日本橋の再現から始まって、
武家屋敷や、松の廊下、三井呉服店などの
山藤章二 精密模型が並ぶ。
明治や昭和の家屋の内側の再現や、資料展示。
歴史や、比較文化が好きなもんだから、いやあ楽しい。
それにしても、外国人の見物客が多かったです。
仙台で見る一年分くらいの外国人を見た。

その後、桜の咲き初めた、外堀堤を歩く。
中央線に沿った散歩道で、桜並木の名所。
四谷の辺りで、山藤章二さんとすれ違った。
似顔絵で有名な人。さすが、東京です。
赤坂プリンスでは、阪神タイガースの面々が
ユニフォーム姿でどどどっと目の前を過ぎた。

新宿では、昔よく行った洋食屋を探したが、
もうなかった。ものすごく、おいしかったのだが…。
久しぶりに、紀伊国屋書店前の新宿大通りを
歩いて思ったのは、
「こんなに狭い通りだったっけ?」だ。

それにしても、どこに行っても人が多い。
優子は「いろんな人が多くて楽しい」と言う。
「超お金持ちから、超貧乏な人まで、一緒くたにいる」
それが良いと。たしかになあ。
噴火3 東京では、いろんな変な人のレベルの幅が大きい。
それ自体は楽しいのだが、どこにもまんべんなく
人が多い、というのに少し疲れる。

そして、東京には、この先、大地震やら富士山噴火やら、
テロやらと、災害の可能性が盛りだくさんに
待っているこったし、なにかとたいへんである。
やはり住むなら、地方都市だと思う。

福岡なら潮干狩りができるし、仙台ならスキー。
どちらも車で、小1時間もありゃ行ける距離内にある。
通勤だって、買い物スクーターでいける距離。
満員電車とは無縁の生活。
貧乏な若い時には、刺激の多い東京が天国だったが、
年を経て、落ち着いてくると、
地方都市の方が天国になってきた。

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