石の2 矛盾の大国・共産中国


中国1 経済大国となった中国から日本に観光に来る中国人のことが、
マスコミで話題になっているが、その中国人のモラルの低さも常に
日本人を呆れさせている。例えば、食べ放題のレストランでのマナーの
悪さである。食べきれない程の量を奪い合って皿に取り、結局は食べ
きれずに残してゆくという。日本人ならば、あるいは欧米人でも、他人の
ことも考えて、自分が食べられる分量しか取らないのに、中国人は食べ
放題なんだから、たくさん確保しなけりゃ損だと考えるらしい。なんという、
あさましさだろう。

中国人というのは、元々こういう民族ではなかったはずである。
ぼくらが最初に、中国人に対して抱いていたイメージというのは、
恰幅がよくて、何ごとにも鷹揚で、人間の器が大きいというものである。
例えば、漫画の「美味しんぼ」に出てくる横浜中華街の店主の中国人
というのは、たいていそのように描かれている。そして、日本人が
昔からこよなく愛してきた「三国志」や「水滸伝」で描かれる中国人と
いうのも、人情や仁義に厚い人々である。日本で最初に作られた
東映アニメ映画は「白蛇伝」という古代中国を舞台にしたものであり、
日本の多くの文学者がやはり、昔の中国が舞台の小説を書いている。
それは人情や仁義に基づいて動く人々の物語がたくさんあったからだ。
そういう風に、昔の日本人は中国をこよなく愛していたのである。

そういう大国・中国のイメージが覆ることになったのはやはり、
天安門事件以後だろう。民主化を求めた学生達が共産党の人民軍に
中国2 よって多数殺されたばかりでなく、パソコンが普及した現在でも、ネットで
「天安門事件」を検索すると全く出て来ない。強制的に削除されていて、
そんな事件はなかったことにされている。つまり、歴史の捏造である。
これによって、中国というのは一気に信頼性を失ったのだが、その一方で、
共産主義では貧乏になるばかりだと気付いた鄧小平は資本主義を導入
するという大改革を行った。民主主義は取り入れずに、共産党独裁の
まま外国資本を取り入れて、国民を安い給料で働かせて安い商品を外国
に輸出するという手法である。これが大成功して、中国はみるみる間に
経済大国になってしまった。世界はビックリである。しかし、それにより
中国国民は幸せになったかというと、金持ちになって幸せになった人と、
そうならなかった人との経済格差がひどくなったのである。

あのー?と聞いてみたいものである。共産党というのは、人民の経済格差
を失くして、富を平等に分配することを目標にして出来た政党のはずである。
そのために、およそ数千万人の国民を殺戮して革命を行い、やっと実現した
のが共産中国のはずなのである。
それが、経済大国になった今、経済格差がひどくなっているという現実。
なんか変である。今こそ、共産主義革命が起こっていいのでは?と思って
しまう。あきらかな矛盾である。誰もがおかしいと思っている。そのおかしい
の根本の原因は共産党独裁である。だから、共産中国というのは必ず
崩壊するはずである。それが何年後になるかは知らないが、できれば、
ぼくが生きているうちに起こって欲しい。それを見届けたいと思っている。
現在のところ、共産中国が崩壊するか、北朝鮮が崩壊するかのどちらが先に
なるだろうかと世界が見守っている最中であるが、どちらもさっさと崩壊して
もらいたいものである。

中国3 とにかく、「お金儲け」に目覚めた今の中国人のモラルは、ひどいもので、
お金が儲かりさえすれば、どんなニセモノ商品であっても平気である。食品に
毒素の入ったものでも平気で売るし、道徳というものが全く崩壊している。
やはり、人間の幸福をあくまで富の分配で見るという共産主義が全ての
モラルや道徳を破壊してしまったのだろう。
同じ中国人でも、共産主義を経験しなかった中国人はそんなことはない。
つまり台湾である。台湾も明治時代に、朝鮮と同じく日本の植民地に
なり、日本がインフラを整えて近代化した国である。最初は病院を整えること
から始めて、ダムを作って電気を設備し、農業生産を発展させ、近代国家に
なる道筋をつけたのである。だから、台湾の人々は日本に感謝していて、
ずっと親日なのである。唐帝国からの中国の古代文明や、その愛すべき
人柄は台湾にこそ継承されているのである。
(2016年5月))


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