石の2 横浜みなとみらいで2泊

yokohama1 横須賀から横浜までの道路は、市街地ばかりである。
つまり、その間に田んぼや畑などの田舎の風景はなく、
ごちゃごちゃとした街並みが続く。そしてそのまま桜木町
に着く。ここが横浜の中心地である。桜木町駅から海側
は、現代的に開発された「みなとみらい」と言われる地域
であって、横浜の中で最も観光客が集中する場所である。
ぼくらはそこのランドマークタワーのホテルを予約した。
ロイヤルパークホテルである。

その超高層ビルは、2020年現在、大阪の「あべのハルカス」
についで日本で2番目に高い。下半分は商業施設やビジネス
オフィスになっていて、49階から68階までがホテルである。
ぼくらはその52階に部屋を取った。もちろんGOTOトラベルを
使ったので、ほぼ半額に近い。それにしてもこんなに高層階の
ホテルの部屋に泊まるのは初めてである。めったにない経験だ
った。そして、その部屋からの夜景のきれいなこと。遥か下に
観覧車が見える。光を何色にも変えている。見事なものだ。
それを眺めながらお酒を飲んだ。これが横浜みなとみらいの
yokohama2 ゴージャスな経験だった。

翌朝は桜木町駅前から出ている市内観光周遊バスに乗る。
れんが倉庫、港の見えるヶ丘公園、横浜中華街などの通りを
廻ってくれる。ぼくらが特に気に入ったのは「クジラの背中」と
呼ばれている海外からの観光客船が横付けする埠頭である。
板張りの緩やかな斜面が続く広々としたオシャレな施設である。
埠頭というのは昔ならば、単に長方形のコンクリートが突き出て
いるだけなのだが、ここではその上に鯨の背中のような板張りの
広場を造っていて、その内部にはレストランや広場もあり、コン
サートも出来る規模である。そこから見渡せる港の風景は実に
素晴らしいものだった。ここはお薦めである。

yokohama3 そこから10分ほど歩いた場所に、明治時代からのレトロなレンガ
造りの貿易事務所があり、その前に海に向かった少し広い公園
がある。碑があるので読んでみると、ペリーが浦賀に来て大騒ぎ
になった後、日本中が大混乱になり、約束をして1年後に再来日
をして、とうとうペリー行が正式に日本に上陸をしたのがここなので
ある。有名な絵の場所である。そこに立って、そうか、ここなのか…と
感動した。当時は砂浜だったが、今では公園になっている。しかも、
夜にはライトアップもする、おしゃれな場所になっているのだ。

その後、テレビ番組で神奈川出身のみちょぱや、ゆきぽよなどの
ギャル風タレントが話しているのを聞いていると、みなとみらいと
今ではカッコよく言うけど、地元民にとっては、あそこはあくまで
桜木町なんだよと少し反発しているのを知った。つまり横浜は
本来はもっと下町風情の町なんだよというわけだ。

yokohama4 そして横浜の成り立ちを振り返れば、ペリー艦隊が港を開けと
江戸幕府に迫った時、江戸湾に入れさせないために提供する
場所として選ばれた寒村だったのである。そこに貿易をする
西洋人達が住み始め、レンガ造りの町が出来、馬車通りが出来、
どんどん街が大きくなっていったのである。そのために今では
横浜市の人口は大阪市より多くなっていて、日本において東京に
次ぐ2番目の都市は横浜ではないかという人がいる。しかし、
もし南海トラフ地震が起き、やがて必ず起きる富士山の噴火が
起きた場合、横浜は東京と悲劇的な運命を共にする場所である。
なので、日本で第2の都市はやはり東京と距離を置いた大阪で
なければならないのだ。
(2021年3月)

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